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レポート連絡

 2000/05/31 に提出されたレポート企画書に関して反応しておきます。
 次の理由からこのページで「公開」することにしました。
  @返信先を指定していない人もいた。
  A伝えるべきことで共通する部分もある。
  B相互に何をやっているかを知ることも重要だ。
  C授業をどうやってるかを世間に示すのも、面白い試みだと思う。
  D教官がアホなコメントをしているかどうかという点も、世間の評価にさらされるべきだろう。
文献を探す一方法

 以下、順番には意味がありません。手元にあった順番です(たぶん私の手に渡った順番)。
   ただしテーマが似ているもの(「非行」、「いじめ」)は相互に近接させました。

注:氏名は匿名としました。(2001/02/19)

氏名 テーマとコメント
全員共通 現状のままレポートを書いても、たぶん何れもうまく行きません。下のコメントを参考にして、全員、企画書を書き換え、6月14日(水曜)の授業時に再提出して下さい。その際、テーマ、テーマの説明以外に、次の点を明記して下さい。
 @具体的な文献、作業手順を明記する。
 A予想される結論を書いておく(結果、違ってもよい)。
個別に分からない点は高木に相談してください。なるべくメールがよいです。
なお、一般的な注意事項はこのホームページに掲載することがあります。
○○○○
[新規]
テーマ:利害に関する動機のない攻撃
[コメント]
・利害のない攻撃は「どういうことか」、というだけでは議論の手がかりがありません。レポートのテーマにはなりません。
・他に言うべきことが思いつきません。
○○○○ テーマ:フーリガンによる集団暴動の要因を考える
[コメント]
・連絡先が書いていないではありませんか。
・このテーマで面白いと思います。
・事実関係をおさえる必要があります。たぶん外国の雑誌類を調べるべきでしょう。
・もう1つ、フーリガンによる暴動の社会的背景をおさえる必要があります。上記「文献を探す一方法」などで関連する本を探すのだと思います。
・理論的には、社会学の「集合行動論」にろくなものはありません。少なくとも日本語では。一応目を通しておくだけにした方がよいでしょう。
・社会心理学では crowd (behavior) か deindividuation(没個人化)を調べておいて下さい。Social Psychology というタイトルのテキストを読めばある程度書いてあるはずです。図書館に何冊か入っているはずです。
○○○○ テーマ:少年漫画誌における、「女性向漫画」と「男性向け漫画」との、攻撃/暴力描写の違い
[コメント]
・こういうオタクっぽいテーマは私も好きです。
・問題は『少年ジャンプ』の作品を女性向/男性向に分けるという点。第1にうまく分類できるかどうか? 『ヒカルの碁』まで女性向ホモ化作品だとすると、『Rookies』を除けばほとんど女性向になっちゃいますよ。第2、よほど長い期間で調べない限り、作品数が少ないので、出てきた差が「男性向/女性向」というカテゴリー差なのか、作品の個性なのかが分からなくなります。
・やるんだったら、あからさまな男性向け雑誌と、対応する女性向け雑誌で調べるべきでしょう。少年誌/少女誌、成年男性向/成年女性向、のような。
・ホモ漫画とレズ漫画を比べる、ということはできませんか?
・「作品における描写の差」は主観的な判断になりますから、原則として、仮説を知らない(つまりあなた以外の)複数の評定者が独立に判定する必要があります。正式な研究だとするならば。が、今回は試しと考えて、自分で判定してみる、いうことでよいと思います。
・私は長いことジャンプを読んできて、近頃全般に絵の質が女性コミック化しているように感じます(もともと作家は両方を描けるのでしょう)。しかし暴力/攻撃表現はもしかしたら過激になっているかも知れない。そういう点は同じ(あるいは同種の)雑誌を長期間に渡って比較すると分かるのかも知れない。
○○○○ テーマ:家庭内での暴力(攻撃) 親が子供を攻撃する理由
[コメント]
・一転してこのテーマは単純です。「家庭内暴力」というのは研究(本)が多く、夫婦間の虐待、幼児虐待、親虐待、老人虐待、など、選りどり見どりです。
・『人が人を殺すこと』自体が重要な情報源になると思います。
・むしろ自分固有の論点を見つけることに留意して下さい。下手をすると「家庭内暴力」本の引き写しになります。自分なりの主張(結論)がないと、(大学のレポートならずとも)良い文書とは評価されません。
○○○○ テーマ:親が子を殺してしまうことについて。なぜ、親が子に殺意を抱くまでにいたるのか。それは正当化されるのか。
[コメント]
・正当化されるはずはありません。
・上の岡本さんへのコメントと共通します。
・企画書を読むと、子殺しの一般論より個別ケースへの関心があるようにも思います。もし個別ケースに関心があるなら、岡本さんのテーマとの差を作るため、個別ケースに関する情報を集める、という書き方もあるかも知れません。ただ、個別ケースに関してどれほど情報が集められるのか(プライヴァシーがある話なので)、ちょっと予想がつきません。
・所詮一授業のレポートですから(私が言うのも変ですが)、個別ケースで試してみてもよいかも知れません。
○○○○ テーマ:少年犯罪について
[コメント]
・少年犯罪だったら、白書類を調べるだけでも相当分かると思います。まず白書、次いで上記「文献を探す一方法」で本を調べること。
・関心がおありの「現在話題になっている少年犯罪」は、あくまでも相当特殊で、全般的な「少年非行」を調べて分かることかどうかは、私には想像がつきません。「現在話題になっている」ことについては、あまりこだわらなくてもよいと思います。
・「一見不可解な動機に興味がある」とあります。動機に興味があるのはわれわれの人情です。が、分かるかどうかという点では、結果として余り分からずに終わるように思います。
・1つの方法として、異常な犯罪に対する世間の反応の方に焦点を合わせるのもよいと思います。ちなみに、アメリカでは長期的に、世間は一般的に寛容になっているにも関わらず、重い刑罰への支持は増大傾向にあります。同じことが日本にもあるか?
○○○○ テーマ:少年非行における攻撃(または いじめ)
[コメント]
・「非行」にするか「いじめ」にするか、あるいは「犯罪に分類されるいじめ」にするか、決めて下さい。
・「非行」だったら、コメントは上の中本さんへのコメントとある程度共通です。
・「いじめ」だったらコメントは下の高山さんとある程度共通です。
・文献の探し方も中本さんへのコメントと共通します。まず白書類を確認してみて、次いで上記「文献を探す一方法」で本を調べること。
○○○○ テーマ:現代の「いじめ」の実態と「いじめ」による「自殺」について
[コメント]
・「いじめられる者の声」や「いじめる側の声」を聞くだけでは、雑誌記事(の候補)としては優秀でも、大学のレポートとしては変です。何らかの疑問に答えるような構成を考えて下さい。
・一番安っぽいのは、かわいそうな話をいろいろ書いて、最後に「人の心が分かるようにならないといけないと思いました」で終わるパタンです。おのれは金八か?! 金八が悪いわけではありませんが、そういうパタンは小説か脚本で追求するテーマです。
・下手するといくつかの本の引き写しになります。テーマを絞って調べるべきだと思います。例えば「いじめ」だったら4層構造論を中心に調べる、とか。
○○○○ テーマ:普通の立派な人間が、異常な攻撃行動をする時の心理について調べ、それが攻撃以外の行動にも関係しているいえるのかどうか それは、洗脳なのかなんなのか。
[コメント]
・テーマ自体がつかみにくい面があります。もう一度整理して下さい。
・ミルグラムの『服従の心理』(思索社?)は読んでおいてください。
・「洗脳」はそれ自体大きなテーマであり、調べるとすると攻撃まで手が回らないと思います。
・「日比谷暴動」って、日露戦争のときの出来事のことですか? ミルグラムの研究とどう関係するのか、読めません。
○○○○ テーマ:異質な状況における人間の攻撃行動
[コメント]
・上の岩佐君のテーマと似ている、と解釈します。
・ただしミルグラムの『服従の心理』はあまり関係ないでしょう。むしろ災害時(緊急事態下)での人間反応について調べた方がよいと思います。『災害心理学』とか『緊急事態下の意思決定』といった題の本があるので、検索して、まず読んでみるべきだと思います。
・残虐行動という点については、今川君の個所で書いた通り、 crowd (behavior) か deindividuation(没個人化)を調べておいて下さい。Social Psychology というタイトルのテキストを読めばある程度書いてあるはずです。図書館に何冊か入っているはずです。

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