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この授業をやってみて:基礎演習D

 この授業に対する私高木の感想を書いておきます。まだレポートを見ていませんので、その意味では感想を書くのは時期尚早かも知れません。が、レポートを拝見するときには別の仕事で忙しくなっているので、現時点で、授業に対する私の感想を書いておきます。
 総じて申せば、私が今までに行った基礎演習と比べて良く運営できた方でした。欠席者は比較的少なく、報告もほぼ問題なく行うことができました。どうにも訳が分からないことを言う人もいませんでした。
 ただ、私は理想的な授業運びをイメージしながら授業を企画しています。その理想からするならば次の点に不満が残ります。

 第1に、皆さんが選んだ議論のテーマが、どうにも、ワイドショー・ネタ、ないし新聞の社会面、の方向に偏ってしまったのは残念です。取り上げた『日本の論点』では、政治、経済、外交などについて、豊富な論点を持つテーマが用意されていました。スマートな、つまり議論するとかっこいいのはそうしたテーマの方でした。社会面風のテーマで議論するなら、中学校のホームルームでもよかったでしょう。
 皆さんの選択はむろん、私にも予想はつきました。人は概して、自分の知らない分野の話題を避けるものです。皆さんが政治、経済、外交といったテーマを選ばなかったのは、それらのテーマについて知識が少なかったからだと思います。今のうちはそれで結構ですが、卒業する頃には好んでより難しいテーマに挑めるようになることを、心がけて下さい。

 第2に残念だったのは、発言する人が少なかったことです。間を持たせるために私が話しをしてしまうのは、なるべく避けるべきことでした。英語に関する論文で「会議に出てもただ黙っている日本人」という話が出ていましたが、日本語で話しているのに同じことが皆さんに当てはまってしまいました。今後は、黙っていると知的能力自体を疑われる世の中になると思います。ちゃんと発言する癖をつけておくことが重要です。

 第3は報告用のOHPへの書き方の問題です。口答での報告自体は程良い長さで収まっていたと思います。が、口頭報告に比べ、OHPに書いたことは詳し過ぎました。たぶん皆さんは、報告する論文のノートをとり、そのノートをそのままOHPに書いたのだと想像します。が、多くの場合、皆さんが書いたOHPは詳し過ぎるので、OHPを見るくらいなら、本文を見た方がマシなくらいだったと思います。要点のみを書くようにしないとハンドアウトの意味がありません。

 ついでにレポートの書き方について一言。レポートの書き方については注意事項を書いていると切りがありません。このサイトの別ページでレポートの書き方の本を紹介していますので、次をクリックしてみてください。
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