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社会心理学入門、授業終了後のコメント

 言い訳:

 この授業は当初、3回の試験をするはずでしたが諸般の事情で2回になりました。原則として、試験の回数は多い方が、点数は安定します(専門的にいうと、データの信頼性が上がり、誤差の占める比率は低下します)。という訳で試験を1回スキップしたのは申し訳なかったです。
 ただまあ、実際に試験の採点をするとなると、非常に困難で、3回試験をするのは難しかったこともご考慮ください。受講者数が予想より多かったのです。
 仮に答案1枚を10分で採点するとすると、1時間で採点できるのは6名、1日8時間労働として、48名分です。実際には1枚10分よりは短いとしても、やり続けるというのも無理な話ですから、頑張ってもそんなものです。この授業の出席者は400名を越えます。欠席者がいるとして400名としても、1回の試験の採点には8日かかります。実は、試験前には1回目の試験の採点は完了しませんでした。その期間に8日分の時間をとるのは無理でした。試験が2回として、採点には16日かかります。週5日労働が建前ですから、無理なく採点するには3週間かかります。実際、この授業の答案の処理にはそのくらいかかりました。答案の処理とは、採点プラス、答案の学籍番号順の並べ替え、データベースへの入力、データベース上での成績処理、点数の確認、結果の出力、提出用のマークシートへの記入、マークシートの点検、です。


 採点結果:

 2回の試験はどちらも50点満点(ただし2回目は自動的に5点かさ上げ)、計100点満点です。採点結果で平均をとると、1回目の試験が31.3点、2回目の平均が31.4点でした。実に似通った点数になります。
 受講者の学部によって粗点の平均は有意に異なります(一元配置の分散分析)。平均点の学部間の比較をすると(多重比較のsnk検定)次の関係があると分かりました。
 (理学部、教育学部、教養学部)> (経済学部、工学部)
つまり、理学部、教育学部、教養学部間、および経済学部と工学部間では差がないですが、この2グループ間では有意な差がありました。経済学部、工学部より、平均では理学部、教育学部、教養学部の学生が高かった、ということです。差の絶対値はそれほどではないですが。同じ「文系」、「理系」でも違いがあるのは面白いですね。理由は分かりませんが。
 点数の上位者は、非常によくできています。特にできた2人は、ほとんど間違いがありませんでした。1人は教育学部、もう一人は工学部の受講者でした(両学部とも人数が多いので、上位者が出る確率は高くて不思議はありません)。
 上記の平均点から分かるように、合計点の平均は63点弱です。この粗点でそのまま成績をつけると、可/不可のラインである60点を、受講者の4割くらいが下回ることになります。しかし63点というのは、この試験では悪いともいえません。
 成績として学務に報告している点数は、この粗点を線形変換した値です。高得点者は粗点と変換後の値があまり変わりませんが、低得点者は変換後の得点が粗点より高くなるように計算しています。


 成績の自己確認を:

 私としては注意を払って成績をつけたつもりです。が、枚数も多くどこかでミスが生じる可能性はあります。今までもありました。そこで、成績を受け取ったら成績をすぐに確認し、不審がある場合は私高木まですぐに連絡してください(遅れると処理できなくなる恐れがあります)。何れかの時点でミスがある可能性もありますので、速やかに調査します。学務係を通すと手続きが面倒になる可能性もあるので、私まで直接連絡してくれた方がよいと思います。
 また、本人の答案については、見せろと言われればご覧に入れます。ただし個人情報保護の観点から、他の受講者の答案の閲覧は不可です。