Top > 授業 > Conflict Resolution
問合せ メール 戻る
Top   概要   予定と記録   配布資料  
基本データ
コンフリクト・レゾルーション
  〜 対立解消の社会過程

2単位
前期、土曜、3限(13:10-14:40)
 内容
概ね次の計画に従う。
 1回目:ガイダンス、授業の範囲の説明
 2回目:典型的な対立:公共財供給と双方独占
 3回目:ゲームモデル(囚人のディレンマと社会的ディレンマ)
 4回目:進化の視点:タカ−ハト・ゲームなど
 5回目:ジレンマ状況での人間行動
 6回目:泥沼化(entrapment)
 7回目:交渉過程の古典的実験
 8回目:交渉スタイル
 9回目:交渉過程
10回目:交渉と連合形成
11回目:内集団と外集団の認知
12回目:内集団びいき研究
13回目:集団間対立の過程
14回目:宗教的対立のモデル
15回目:授業の総括
 ポリシー
 授業期間中に小テストを3回ほど行う。成績は小テストの成績の合計(70%)と出席状況(30%)によって決める。
 教材
参考書
Pruitt, D. G., & Carnevale, P. J. (1993) Negotiation in Social Conflict. Buckingham: Open Univ. Press. など。その他、必要に応じて授業中に指示する。
 コンセプト
「対立の構造と対立解消に向かう社会的過程を理解する」
 次の3点について一定の理解に到達することを目指す。(1) 対立を表現するゲーム構造が説明できるようになる。(2) 交渉過程に関する社会心理学的な視点、および主要な要因を説明できるようになる。(3) 対立が集団間対立になることによって、対立の展開にどのような要因が加わるかを説明できるようになる。

 'conflict' の語は当事者間に生じる潜在的な対立関係を指すこともあるし、潜在的な対立を解消するために発せられる具体的な活動の全体(e.g., 紛争)を指すこともある。Conflict Resolution と表記する授業にはいろんな内容、形態が可能と思う。この授業では、潜在的な対立の存在を前提に、どのような人間行動、社会過程が生じるかについて、社会心理学の知見を中心に学ぶ。
 授業内容は大きく次の3つの部分に分かれる。
T.対立のゲーム構造:単純なゲーム論的な見方をするときに対立をどのように描けるか、説明できるかを論じる。双方独占事態での利害解決、囚人のディレンマと社会的ディレンマ、泥沼化のゲーム構造などについて説明する。また、既存のゲーム実験の知見を解説する。条件が許せばネットを介したゲームを実施したい。
U.交渉(negotiation)の社会心理学:社会心理学ないし組織心理学の中で蓄積された、主として実験的な研究の成果を説明する。採用する戦略の効果や仲裁の様式の効果などに触れる。
V.集団間対立:社会的な対立はしばしば集団間の対立として出現する。自分の属する集団を内集団、外側の集団を外集団と呼ぶ。人は内集団と外集団に対して異なった認知の方法をとり、行動面では内集団びいきという傾向を示す。集団間対立はまた、文化的な対立、宗教的対立の形態をとる。このような集団過程がどのように生じるかを説明する。