☆野火止用水について
野火止用水が作られたのは、今から350年も前のことです。
江戸時代、野火止地域は川越藩の領地でした。当時の藩主であっ
た松平信綱は川越藩のいっそうの成長のため、新たな農地を欲し
がっていました。そこで目をつけたのが野火止地域です。野火止は
高台に位置するため、もともと水がなく、人のほとんどいないような地
域でした。松平信綱は、ここを農業ができるように、そして何より移り
住んだ人々が生活ができるように、野火止用水を引いたのです。
野火止用水は、つい最近まで多くの人々に使われてきました。
しかし戦後、状況は大きく変わりました。水道が引かれ、生活スタ
イルも変わったため、野火止用水なしには生活できない、ということ
はなくなりました。用水にはゴミが捨てられ、一部は暗渠となって地
面の下を流れていたり、すでに埋められてしまったところもあります。
現在、野火止用水を大切に思う多くの人たちによって、清掃活動な
どが行われています。野火止用水は、開削当時と比べその姿こそ大
きく変わりましたが、いまでも新座市の人々によって大切に受け継が
れているのです。