卒業生からのひとこと

ローマ時代の城壁と門 サルデーニャ王国時代の宮殿
(イタリア・トリノ)



平成19年度(2007年度)卒業生から
平成18年度(2006年度)卒業生から
平成17年度(2005年度)卒業生から
★平成16年度(2004年度)卒業生から

平成15年度(2003年度)卒業生から
平成14年度(2002年度)卒業生から
平成13年度(2001年度)卒業生から
平成12年度(2000年度)卒業生から



【平成19年度(2007年度)卒業生から】

○卒論を書き終えて

 卒論を書き終えた今、卒論は自分を人間的に成長させる、非常にいい機会だったと感じます。
中には卒論をやっても意味が無いと思っている人がいるのではないかと思います。もちろん時間はかかりますし行き詰ることもたくさんありますから、こんなことをやるくらいなら他のことをしたい、と思うときはありました。しかし卒論が完成したという事実は、必ず将来の自分にいい影響を与えるだろうと今は強く感じます。
 ところで書く上で重要だと感じることは以下4点です。
@興味あることをテーマにして、楽しく史料を読む
 私は興味のないことやつまらないことをすることは大嫌いなので、史料を読んで好きなことを探し、テーマにしました。おかげで史料を楽しく読むことができましたし、早く読み終えることができました。そして自分なりの結論を明確にもつことができました。
A計画をしっかりたてる
 計画を立ててもその通り進まないのは私だけではないと思います。計画通り進めるのが一番ですが、計画とどれくらいずれているか知るだけでも、何をすればいいかがよく見えてきます。
B本文を早く書き始める
 本文を書くことで自分に足りないものがはっきりと分かります。もちろん史料分析をしないで書き始めることは論外ですが、かといって全部調べてから最後に一気に…なんてことをしたら、書き終わりません。また、これを書こうと思ったらすぐ書いてしまわないと忘れます。
C休憩をとる
休む時はしっかり休む。遊ぶ時は遊ぶ。飲む時は飲む。
テーマ設定や史料探し、考察や文章作成など、やることを考えると大変と感じるかとは思いますが、やるからには少しでも楽しんでやってほしいと思います。
(2008年3月卒業/論文題目「盛岡藩の戊辰戦争―奥羽鎮撫総督九条道孝転陣の対応を中心に―」)
 平成19年度教養学部優秀卒業論文に選定

【平成18年度(2006年度)卒業生から】

○卒論を書き終えて思うこと
 卒論を書き終えた今、重要だと思うことが3点ほどあります。
@ テーマを絞り、史料を早く入手する
研究を進めるうちにテーマが変わるということはよくあることだと思います。私も研究に適した史料が見つからず結局テーマを変えざるを得ませんでした。史料がなければ研究は進みません。テーマが変わると、全ては振り出しに戻ってしまいます。3年生のうちにこれらのことが決まっていることが理想的であると思います。
A計画を守る(特に夏休みの有効活用)
私は活字になっている史料のほかに、原文で読まなければならない史料もあり、この作業が予想以上に手間取ってしまいました。図表とくずし字の解読は夏休み中に終わらせる予定でしたが、大きくずれ込み10月頃までかかってしまったのです。これが後々、自分を追い込んでしまった原因だと思うと、夏休みの使い方というのは本当に重要だなと身にしみて思います。
B本を沢山読む
実際に書き始めてからも、語彙の乏しさ・表現力の無さに我ながら情けなくなることもよくありました。歴史に限らず、小説でもエッセイでもいいので、時間のあるうちに沢山読んでおくときっと役に立つと思います。
 また、行き詰った時には、友人と励まし合ったり、先生に相談しに行ったりすることで、その状況から抜け出しまた書き続けることができました。周りの方々に支えられての卒論だったと心から思います。4年生の1年間は、就職活動に卒業論文、そして遊びやアルバイトと、やりたいこと・やらなければならないことが目白押しですが、それぞれにメリハリをつけて一日一日を有意義に過ごしてください。
(2007年3月卒業/論文題目「近世城下町近郊農村における名主の村外活動の分析―武蔵国入間郡赤尾村名主林信海日記をもとに―」)

○卒論を終えて
 卒論を書き上げるということは、一ヶ月や二ヶ月で出来る作業ではありません。まずはテーマを決め、テーマに関連のある史料や先行研究を集め、それらを読み込んで整理しなければいけません。根気のいる作業ですが、ここまでしてようやくスタートラインに立てます。それ以降は、自分の論文をどういう風に組み立てるか大まかな筋を考えてから、その筋に沿って本文を書き始めます。また、やっと書き始められたとしても、すんなりと最後まで書き上げられるわけでは勿論なく、書いている内に新たな疑問点などが浮上します。すると、その疑問点をどう処理するか、また史料や先行研究に立ち返って調べなくてはなりません。指導教授に相談すればアドバイスは頂けますが、基本的にこれらの作業は、全て自分自身で行わねばなりません。精神力も根気も必要とされる作業です。甘く見ずに、可能な限り早めに、出来ることからこつこつと始めて下さい。
 実用的なアドバイスとしては、テーマが決まって史料を集める段階になったら、卒論用にノートを一冊用意することをおすすめします。検索した文献の情報、読んだ論文の概要、思いついたことの走り書きなど、卒論に関係することは全てそのノートにメモします。どんな些細なことでもいいのです。それらのメモは、論文を書いていて悩んでしまった時などに読み返すと、思わぬ役に立ったりします。
 学生生活最後の大仕事とも言える卒業論文です。社会に出てしまってからでは、これほど一つのことに集中して、本を読み漁ったり、文章を書くことに没頭する機会も無いと思います。どうぞ、頑張って下さい。
(2007年3月卒業/論文題目「前漢時代における塩の専売と国家―『塩鉄論』を中心に―」)

○卒論を書き終えて
 卒業論文を書き終えて感じたのは、「やっと終わった…」という安堵と「もっとやれたのでは?」という若干の後悔です(後者は今だからこそ言える言葉ですが)。卒論は長いです。文章の量も、ひとりで試行錯誤する時間も。これまでにない経験になると思います。だからこそ、やりあげた時の達成感も格別です。
 私は、就職活動は4月早々に終わったものの、本格的に卒論に取り組み始めたのは遅かったです(実際に書き始めたのは11月)。それでも何とか形にすることができたのは、以下のことがあったからです。
@先生と話しましょう。前回面談してから何も進んでいない!とか会いづらい…という時もあるかと思いますが、勇気を出して会いに行ってください。一人で数日間悩んでいたことも、先生との何気ないやりとりから突破口が見つかることがあります。会いづらかったらメールでもいいと思います。話したらきっと力になってくださいます。
A演習を大切に。4年までに単位は揃えたし学校に行かなくてもいいやという人も、演習はできる限りとったほうがいいと思います。自分でテーマを選択する演習方式なら是非。私は、演習の内容が卒論の一部分(ほぼ半分)になりました。分野が違う人の質問も、自分の論文に欠けている点を補うよい機会になります。
B押してもだめなら引いてみる。気分転換は大事です。私も結論部分で行き詰った12月末、2日ほど放置して遊びまくりました。卒論も後半になると、常に頭のどこかでそれを考えている状態になりますが、気分転換している時にこそ妙案が浮かんできます。また、行き詰るのは進んでいる証拠!と自分に言い聞かせるのも有効です。
 4年生は就職や進学などで忙しく、悩むこともたくさんあると思います。でも進路も卒論も、最後に自分が納得できるように進めていけたら一番だと思います。月並みですが、頑張ってください。きっと良いものができます。
 最後に、データの保存はこまめに!!用心はしすぎるくらいがちょうどいいです。
 (2007年3月卒業/論文題目「「共和主義者」マキアヴェッリと『君主論』」)

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【平成17年度(2005年度)卒業生から】

○卒論を書き終えて
 卒論を書く上で一番大切なのは、一人で考え込まずにどんどん友達と意見交換をすることです。もちろん指導教員とこまめに話し合いを重ねることも大切です。友達との会話なら、率直な意見交換ができ、遠慮なくいろいろなことが言えるので、行き詰ったと感じたら、すぐに話すことです。違った視点を与えてもらったり、思わぬヒントが見つかったりします。だから、四年になって学校に来ることも少なくなるとは思いますが、積極的に研究室に足を運び、共に卒論に向かって頑張っている“戦友”と話すことをおすすめします。また指導教員だけではなく他の分野の先生に相談するのも良いと思います。こちらから声をかければ、先生方はいつでも相談にのってくれるし、先生方もきっとそれを待っていると思います。
私は卒論に取り組んだのが本当に遅くて、面白くなってきたと思ったころには既に一月になっていました。そういった残念な気持ちにならないように、絶対に早くから始めたほうがいいです。特に史料には早くから手を付けておきたいものです。特に外国語を使う場合、訳す時間が必要ですから尚更です。史料を扱いはじめると、自分が何をやりたいのか、何を調べればいいのかということが見えてきます。限られた時間の中で就活などと並行していかなければいけないので大変ですが、歴史の論文は簡単には書けないので、友達と助け合って頑張ってください。
 (2006年3月卒業/論文題目「マリー・アントワネットの処刑−フランス革命期の女性排除−」)

○卒業論文を書き終えて
 私は3年次編入で入学しました。編入生は、入学以前から卒論のテーマを考えているので、早くから取り組むことが可能だと思います。しかし私の場合は、漢文や中国語を一から始め、教員免許の取得のための授業や採用試験などで余裕がなく、本格的に取りかかったのは10月頃でした。それ以降は必死に取り組みましたが、内容のある卒論を書ききれなかったと感じています。
 卒論作成の大事なことは、自分で論理的にじっくりと考えることです。担当教員に相談することも大切なのですが、あくまでも卒論を書くのは自分です。深く考えることで新たな疑問が生まれ、論文構成も完成度が上がると思います。それと、自分に妥協しないことです。卒論を書く時期は、苦しいことの多い時期でもあります。そこを自分の弱さに負けずに乗り切ることが必要だと思います。
 これまで精神論ばかり言ってきましたが、短い期間で書き上げるのは、気持ちが一番大事だと思います。しかし、自分の実力を上げるためにも、日頃の授業、特に演習には真剣に取り組む必要があると思います。私はみんなより知識が乏しかったので、周りについていこうと必死で演習の予習などをしました。その結果、卒論を書くときに大いに役に立ちました。演習は必ず自分の力になるので、一生懸命取り組んでほしいです。
 卒論は一人の力で書き上げなければならないうえに、就職活動などとも重なり、大変な作業といえます。特に編入生は、始めは大学に慣れるのに精一杯で苦労するかも知れません。しかし、何事にも向上心を持ち、授業に真剣に取り組めば、納得のいく卒論が書けるはずです。書きあげることで、自分の実力もわかり、将来に必ず役に立ちます。頑張ってください。
 (2006年3月卒業/論文題目「陳勝集団の実態―楚国復活の意義を通して―」)

○先の余裕より後の余裕
 テーマは出来るだけ早く決めること。大まかでも構いませんが、遅くとも3年生のうちに決めておくべきでしょう。というのも、テーマが決まっても、それが本当に自分が研究できるテーマかどうかを判断する時間が必要だからです。テーマを決めたら、まず先行研究や史料探しを行うでしょう。そこで躓かない保証は無いのです。私の場合は、3年の3月頃に、テーマを変更、それも、史料の決定に伴っての変更でした。つまり、テーマ決定→史料発見→史料に合うテーマに変更、という経緯を辿ったのです。本末転倒のように思えるかもしれませんが、それくらい柔軟に立ち向かう必要もあるでしょう。当然ながら、史料に合わせたテーマでも、自分が興味のある事柄です。それが卒論を書くに当たって非常に重要なこと。興味の無いことを研究するのは、非常に苦しい作業です。作業を楽しむくらいの気持ちが欲しいですね。テーマが正式決定した後は、ただひたすら作業に打ち込みましょう。4年の7月頃までは、就活をある程度優先しても大丈夫です。
 就活が終わったら、その後は二通りの道があります。こつこつ進めていくか、最後に一気に追い込むかです。どちらが向くかは人それぞれですが、私は前者をお勧めします。これも先程と理由は同じ。いつどうやって躓くかわからないからです。何事も早めが大事なのは皆さんも百も承知でしょうが、躓いても挽回できる事なのかどうか、ちゃんと考えて行動した方がいいと思います。また、早くやれば早く終わるという最高の結果もありえます。納得行くまで訂正する余裕もできます。卒論において余裕というものは、作業前より作業後にあるべきです。12月までには分析作業を終わらせ、論文を書き始めたいですね。
 最後に。作業と休憩のめりはりをきっちりしましょう。適度な休憩や息抜きは必要です。ただ、息抜きで遊びに行ったりすると、また作業を再開するのがかなり億劫になります。そこはなんとか気合いで持ち堪えましょう。それでは皆さん、頑張ってください。
 (2006年3月卒業/論文題目「近世中期の武家伝奏の職務と公家社会―武家伝奏と関わる人物とその用件―」)

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【平成16年度(2004年度)卒業生から】

○卒業論文を書いてみての感想
 私が卒業論文を書いてみて一番重要だと感じたのは、史料の収集と分析です。実際、卒業論文作成のための作業の大部分は史料の分析だと思います。また、この作業をしっかりやっていないと論文を書く段階で大変苦労します。私の場合は、三年生の春休みから四年生の夏休み前は先行研究や使用できる史料を探し、テーマを絞り込みました。そして中心となる史料は夏休み前に入手し、夏休みの大部分を利用して史料を読み込みました。しかし、私の場合は史料を読むだけになっていたので、その後にもう一度論文に使用出来るようにまとめ直すという作業をしなければいけませんでした。なので、これから論文を作成する皆さんは、史料や先行研究を読む際には自分で論文を書く時にどのように利用していくかを心がけて頑張ってもらいたいと思います。
 論文を書く際には先生や友人に相談してみるということを忘れないでほしいと思います。論文の作成では何度も悩むことになると思います。しかし、先生方に相談してみれば恐らく悩んでいることの大部分は解決できると思います。また、真面目な話だけではなく、何気ない話からでも意外と論文の参考に出来る意見や考えを得ることができると思うので、友人と相談し励まし合いながら卒業論文を作成してもらいたいと思います。
 最後に、卒業論文を書くということは長くて大変なことも多いと思いますが、大学生活のまとめとして自分の興味のあることをテーマにして最後まで諦めずに頑張って下さい。そして、その際には論文を書くということを楽しんでください。
 (2005年3月卒業/論文題目「明治初期の岩手県漁業政策の特徴と政策による漁業権の変化―漁場入札制による県内漁業の変化と県漁業政策の変遷に関する考察―」)

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【平成15年度(2003年度)卒業生から】

○卒業論文を書き上げて

 卒業論文は、テーマ設定、史料収集、分析・まとめ、文章化、の作業からなると思います。その中で、私が最も力を入れたのは、史料収集でした。それは、やはり史料が論文の内容を証明するものであるからです。
 ただ私は、十月までずっと史料を収集していました。史料を読み、まとめる作業は遅いほうでした。やはり、夏休みには史料を表や簡単な文章にしてみるとよいと思います。また、史料を整理しまとめてみると、新たに必要な史料に気付くことが多いと思います。私自身、もう少し早い段階で、簡潔にでも史料を整理しまとめるべきであったと反省しています。
一方、私が論文を作成している間に常に心掛け、そしてお勧めしたいことは「わからないことは指導教員に聞いてみる」ということです。私は、些細なことであっても聞いてみるようにしていました。「聞く」ということはなかなかエネルギーが必要ですが、聞けば聞いただけ、先生方は為になる助言を与えてくれると思います。
 卒業論文を書き上げ、今一番思うことは「これからがスタートである」ということです。私が書き上げた論文は、内容も形式もまだまだ未熟であったと思います。自分でテーマを設定し、一年以上という長い期間をかけ、収集した史料を一つの論文に仕上げるのは、ほとんどの人にとって初めてなのですから当然かもしれません。ということは、この経験が活かされるのは、就職するにしろ、大学院で研究を継続するにしろ、卒業後だと思うのです。論文を書き上げたことが、私に次の進路へと前進する力を与えてくれたと感じています。
 (2004年3月卒業/論文題目「近世与野の市と六斎市ネットワークについて」)

○卒論を書き終えて思うこと
 私が卒論作成を通して大切だと感じたことは、一人で抱え込まないということです。特に指導教員とはこまめに話し合いをもつべきだと思います。行き詰まったと感じてしまっても、教員のたった一言で打開策が見つかり、大きく前進したりします。また、入手困難と思われた資料も教員が持っていることがあります。教員は卒論を作成していく上で一番の相談相手です。困ったら一人で悩んでいないで、なるべく早く教員に相談しに行きましょう。
 卒論を書き終えて振り返ってみると、苦しかったことや辛かったことはたくさんありましたが、それらも含めて全ていい思い出になっています。卒論は一所懸命がんばれば、出来はどうであれ後の人生の大きな財産になると思います。卒論を書き上げた時、これは自分の人生の宝物だと感じられるような、そんな卒論が書けるようにがんばってください。
 (2004年3月卒業/論文題目「中国古代の戦争と呪術について」)

○卒論を書くこととは
 歴史学コースで卒論を書くということは、「歴史学」を研究するということ。当たり前の話ですが、私はここでつまづきました。古い事柄を扱えば「歴史学」になると思っていた私は、自分の趣味から西洋音楽史を研究しようと考えました。コースに進んだ時から一貫したテーマを持っているので大丈夫、と思い誤っていた私に対し、先生方のご指摘は「テーマが趣味的である」。そして何より「音楽がテーマでどのような“史料”を扱うのか」ということでした。その通り、「歴史学」において基本史料の徹底した分析は、大前提の方法です。それなのに私は基本となる文字史料さえなかなか決まらない始末。「歴史学」という学問を理解していなかったのは明らかでした。結局、卒論は「歴史学」的考察などとは程遠い、「壮大なエッセー」とでも言えそうなものになってしまいました。皆さんも、もし私のように「歴史学」とはどのような学問なのか解らない、ちょっとでも「怪しい」と思ったなら、早めに「歴史学」の概論や研究書を読むことを勧めます。自分のテーマばかりに没頭するのではなく、そのテーマが「歴史学」の中でどのような意義を持つのかを考えてみれば、卒論の内容に確固とした基盤ができるのではないかと思うからです。
 (2004年3月卒業/論文題目「ベートーヴェンの「理想主義」的な音楽芸術観はいかにして生まれたか―ウィーンに対する「理想」の表明―」)


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【平成14年度(2002年度)卒業生から】

○私の卒論体験談
  私の卒論作成経過は大体以下のようでした。
      [3月] テーマ・史料を決める。安心してボーっとする。
      [4月] 史料を読んでみる。就活もする。
      [5月] その史料ではテーマに沿う論文が書けないと判明 → テーマ変更。
  [6・7月] 就活で、ほぼ何もせず。
      [8月] 新しいテーマには十分な研究があり、手持ち史料から新しい論点を
            見つけるのは困難と判明 → テーマ変更。
  [9・10月] 史料を分析するもペース遅し。
      [11月] 書き始める。けれど進まない。
      [12月] 急いで書く。色々と悔やむ。
      [1月] 仕上げる。
  ここからわかることですが、卒論は史料・テーマを決めたからといって書けるものではないのです。史料を読み調査をし、「無理」とわかれば史料・テーマ変更をしなくてはいけません。
  そこで大切なのは何にせよ早め早めにやらなければいけないということです。就活があったり気がのらなかったりもしますが、がんばりましょう。調査して「ダメじゃん!」と思ったら、即、担当教官のところへ行きましょう(先生、色々とすいませんでした)。
  それと、上記の作成経過からはわかりませんが、12・1月のころは書いていて結構楽しかったです。つまり、データから考察 → 色々とわかる → 楽しい → もっと知りたくなる → また
調査・考察、と言った具合。私の場合、この後「けど時間が無い → 悔しい」となったのですが、卒論の楽しみを少しでも感じられて幸せだったと思います。
  蛇足ですが、文字数やページ数は書けばいつのまにか規定に達します。とにかく書きましょう。
  以上、つたないながら皆さんの健闘を願って書かせてもらいました。がんばってください。
 (2003年3月卒業/論文題目「加賀藩領越中国窪村陸田家文書「御用留」について―「江戸触」の分析を中心に―」)

○歴史学コースで学んで
 私は高校の世界史の授業が好きで、大学ではより深く歴史を学ぼうと思い歴史学コースに入りました。授業は時代や地域にこだわらず、興味を持ったものを受講していたので、四年間でいろいろな角度から歴史を学ぶ事ができたと思います。しかし、歴史を学ぶうえで大切な、自分で問題点を見つけ追求していく姿勢が足りなかったと感じています。そのため卒業論文を書く際の手順が遅れてしまいました。今までの授業を思い返してみると、それを見つけるチャンスは何度もあったはずだったので、もっと主体的に学ぶ姿勢を持っていればよかったと思います。卒業論文を書く作業は今までの学生生活のなかで最も苦労したことでした。しかし、学生最後に本当の意味での勉強を経験することができたのだと思っています。論文作成を通じ、四年間の学生生活の成果を形に残すことができたし、一緒に大変な作業を乗り越えた仲間とともに、これからの自分にとって大切なものとなりました。卒業論文というだけで気が重くなってしまうとは思いますが、これも重要な一部分として自分の学生生活の中にうまく組み込んでいってください。
 (2003年3月卒業/論文題目「満州事変後における張学良の思想変化−「抗日」としての「安内攘外」政策と関連させて−」)

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【平成13年度(2001年度)卒業生から】

○問題意識の大切さと行き詰まった時の解決法
 皆さんが今考えている卒論のテーマには、それぞれ自分なりの問題意識や興味があると思います。そしてそのテーマ、問題を深く分析するためには様々な分野からのアプローチが必要です。去年の2月頃、僕が選んだ卒論のテーマは変更を余儀なくされ、テーマがやっと決まったのは夏休みの直前でした。しかしながら、当初もっていた問題意識にもとづいて卒論を書き終えることができました。国際関係論の視点から捉えようとしていた自分のテーマを深く分析するには、歴史学の視点からの分析も重要であると気付いたからです。大切なのは、どんな困難な状況になっても、最初にもった問題意識だけは忘れないことです。テーマがぼんやりしていてまだ明確になっていなくても、卒論を通して考えたいことがはっきりしていれば、様々な分野や視点からのアプローチが可能だし、行き詰まった時にも解決策が見えてくるはずです。まだテーマが定まっていない人も、問題意識をはっきりとさせた上で担当教官の先生と話し合えば、自分の納得いくテーマ設定ができると思います。
 技術的な面では、役に立つかどうか、直接関係あるかわからない文献にも目を通してみたり、何を書くか頭の中でまとまってなくても書き始めてみると、案外すんなり考えがまとまるので、悩むより先に行動することが大事です。今までに経験のない量の文章を書くということも不安の一つだとは思いますが、書き始めると意外と早いので、そういった意味でも早めに書き始めることをおすすめします。そして、テーマに悩んだり、行く詰まった時、一番の解決法は先生の所に相談に行くことです。話しているうちに自分の考えがまとまるし、何よりも的確なアドバイスがもらえるはずです。
 卒論は大学生活の総まとめかもしれませんが、自分の決めたテーマや、自分が問題意識をもった事柄を考える上では出発点にすぎません。この卒論で答えが出なくてもいいと思います。でも確実に出発点に立てるよう頑張って下さい。
 (2002年3月卒業/論文題目「ニクソンの対中接近から見る戦後米中関係と台湾問題」)

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【平成12年度(2000年度)卒業生から】

○卒業論文を書き終えて思うこと
  私は3年次編入生でした。編入生は短期大学在学中に専門的に歴史という分野に携わってきているため、早くから自分の研究目的やその内容を深めていくことが可能だと言えます。しかし私の場合は、この強みを生かせませんでした。卒業論文の具体的なテーマや内容が決まったのが4年の夏休み直前だったため、史料分析の取り掛かりも遅れ、視野の狭い論文になってしまいました。大事なのは、自分が興味を持っている内容から具体的な研究テーマへと結び付けていく筋道を早目にたてること。そうすればその後の史料に当たる作業等も段取り良く進んでいったものと反省しています。
  卒業論文作成の上で、私にとって大切だったのは、コース内外の仲間を多くつくり、互いに情報を交換し合ったりするなど、交流を深めていくことでした。史料を探すうえでの情報提供や、パソコンの操作の仕方を教えて貰ったこと、そして卒論作成という同じ大変さがわかる分、お互い励ましあえたことは、私にとって大きな力となりました。みなさんも、卒業論文作成においては構えすぎることなく、自分の好きなことを研究テーマとして、楽しく作業を進めていって欲しいと思います。
  (2001年3月卒業/論文題目「学童集団疎開の行政的考察―埼玉県下の受け入れ態勢を中心に―」)

○プランを立てて計画的に
 卒論に必要なのは、その人なりの考え=結論だと思います。自分がこの論文で何を言いたいかを、常に考えながら書いていくべきなのです。したがって、より良い卒論を作成するためには、できるだけ早い段階で一度書き上げることが必要です。
 西洋史が難しいのは、外国語文献の使用が多く、必要となる部分の訳に時間がかかってしまい、内容が深まっていかないことです。しかも手に入れたい文献が国内にあるとは限らず、その入手に時間がかかる可能性があります。出来るだけ早く、どういった参考文献を使用するのか、どのようにして入手するかを決める必要があります。そうして初めて日本史の人たちと同じスタートラインに立てたことになるのです。
 卒論は「どうにかなる」ものではありませんし、「どうにかする」ものでもありません。きちんとしたものを作らなくては認められません。精神論で作っていくものではないのです。プランを立て、計画的に進めていくこと。そうすれば、決して大変なものではありません。背伸びする必要もありません。所詮は学生の作るもの、使用した参考文献の高みまで上っていけるはずもないのです。己の知識のなさ、己の積み重ねてきたものの少なさは否定すべくもありませんが、完成したときの喜びを人生の糧とできるよう頑張ってください。
 (2001年3月卒業/論文題目「19世紀フランス農村民衆とボナパルティズムの関係についての考察―1851年12月蜂起を題材にして−」)

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