04/04/03更新
大久保ものがたりWEB 学芸員 のじりさん日記

◆企画展をつくる
 博物館の企画展が開催されるまでには、開催期間の何倍もの時間がかかります。
 博物館では、展示するモノを「資料」と呼んでいますが、企画展を開催するにあたっては、さまざまな企画書の立案、出品資料の選定作業が必要です。
 他館から借用する場合は資料を所蔵する館に出向いて資料調査や借用手続きをとらなくてはなりません。また、どの資料をいつまで借りるのかという決定や、搬送する際に起こりうる事故に備えて損害保険をかける必要も生まれてきます。
 展示資料1点ずつに対し、それぞれこのような手続きをもれなくしていきます。企画展の準備期間の多くがこういった時間に割かれます。
 通常一人の学芸員が任されることの多い企画展。開催一ヶ月前の“のじりさん”の一日をちょっとのぞいてみましょう。


▲ 展示用の写真を一点ずつチェックする

◆「仕様書」とタイムスケジュールは命綱!
 取材訪問したのは、2004年2月20日(金)、企画展の始まるちょうど一ヶ月前。
 学芸員“のじりさん”は、一人静かに準備室のパソコンに向かっていました。何やら真剣な表情で、準備室には早いスピードでキーボードを叩く音だけが響き渡っていました。何をしているのか伺ったところ、来月、ほかの博物館などへ資料を借りに行く際の「仕様書」を作成しているとのことでした。その「仕様書」には、何時何分にどこへ移動し、借用する資料の大きさや、移動する際の細かな作業内容などが、朝から夕方までびっしりとスケジュールに組み込まれていました。
 たくさんの博物館や個人のお宅へ借りに行くのですが、それぞれの場所が離れている場合が多く、4日間で約20ヵ所を移動することはなかなか大変な作業です。


▲ 念入りな仕様書づくりが続く



     

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