4 文献

 

 4.1 文献リスト

 本文中で言及もしくは引用した文献は,漏れのないようにすべてを文献リストに記載しなければならない.ぎゃくに,文献リストにあげられた文献は,かならず本文中に対応する文献注がなければならない.『社会学評論』への投稿論文は枚数制限があるので,いわゆる参考文献の記載はしない.

 文献の記載法にはさまざまな方式があるが,このスタイルガイドでは,欧文の文献であれ邦文の文献であれ,原則として記載事項のあいだはカンマで区切り(一部コロンを使用する,また,煩瑣を避けるために邦文の文献の記載では不要なカンマは省略する),文献記載の末尾にピリオドをつける方式を採用したい.

 文献は,[注]の後に,やはり1行あけて,[文献]という見出しの下に,和文の文献も欧文の文献も含めてすべての文献を,著者または編者(共著・共編書の場合は筆頭者)の姓のアルファベット順にリストアップする.なお,日本人の著者名については,原則としてヘボン式ローマ字表記によることとするが,著者本人が独自のローマ字表記を採用している場合にはそれを尊重する.韓国人,朝鮮人,中国人の著者名については,著者本人のアルファベット表記によるが,不明の場合には,各民族名の標準的なアルファベット表記法にしたがえばよい.

 なお,ひとつの文献にかんする書誌情報を記載しおえるまでは,途中で改行することなく,続けて入力すること.ひとつの文献の記載が複数行にわたるときは,2行目以降は全角で2文字分字下げする.

 また,同一著者の複数の文献を記載するときは,2つめ以降の文献の表示には,氏名の代わりに,――――(4倍ダッシュ)を用いる.

 同一著者の文献に,単著のほかに,編書や,その著者がファーストオーサーとなった共著や共編書がある場合には,単著,単独の編書,共著,共編書の順にリストアップする.なお,同一のカテゴリーに複数の文献がある場合には,出版年の早いものから順に記載する.さらに,同一著者の同一カテゴリーの同一年度の文献が複数ある場合には,1991a, 1991bなどと,出版年の末尾に小文字のアルファベットを順につけて区別する.

 

 われわれのこれまでの論文審査の経験では,文献注に対応する文献が文献リストに見られなかったり,文献注での出版年と文献リストでの出版年にズレが見られることがしばしばあった.また,著者名や書名・論文名の記載に間違いが見られるケースも多い.したがって,文献リストの作成にあたっては,引用文の場合と同様に,細心の注意をはらう必要がある.じっさい,ASA Style Guideも,文献リストについては細部にわたるダブルチェックを要求している.

 

 4.2 欧文の文献

 欧文の文献の記載にあたっては,すべて半角文字(欧文モード)で入力すること.以下,さまざまなケースについて,記載法と例を示す.

 

(1) 単著の本

 

著者のファミリーネーム, ファーストネーム ミドルネーム, 出版年, タイトル: サブタイトル, 出版都市名: 出版社名.

Broadbent, Jeffrey, 1998, Environmental Politics in Japan: Networks of Power and Protest, New York: Cambridge University Press.

【この例示では,2行目以降の全角2字分の字下げが消えています.以下の文献記載の例示もすべて同様です.】

 

 著者名のファーストネームをイニシャルのみにしてもよい(Broadbent, J.)が,ひとつの論文の文献リストでは一貫した記載の仕方をしなければならない.

 タイトルとサブタイトルは,イタリック体にする(イタリック体がうてない場合はアンダーラインをつけておく).タイトルとサブタイトルのあいだは,半角コロンと半角スペースでつなぐ.コロンの代わりに,―(全角ダッシュ)や−(全角ハイフン)を用いてはならない.

 英語の本のタイトルとサブタイトルは,途中の冠詞と前置詞・接続詞を除き,単語の最初を大文字にする.ドイツ語の本の場合は,タイトルとサブタイトルの冒頭の文字および途中に出てくる名詞の最初の文字を大文字にする.フランス語の本の場合は,固有名詞を除き,タイトル全体の冒頭の文字のみを大文字にする.かりに,原書のタイトルがすべて大文字で書かれている場合でも,この文献記載法にしたがわなければならない.

 以上で,本のタイトルの記載法は説明ずみとなったので,以下では,いちいち,「タイトル: サブタイトル」とはせず,たんに「タイトル」と表記する.

 出版都市名と出版社名のあいだは,半角コロンと半角スペースでつなぎ,最後にかならずピリオドをうつ.

 

(2) 共著の本

 

ファーストオーサーのファミリーネーム, ファーストネーム ミドルネーム and 共著者のファーストネーム ミドルネーム ファミリーネーム, 出版年, タイトル, 出版都市名: 出版社名.

Berger, Peter L. and Brigitte Berger, 1972, Sociology: A Biographical Approach, New York: Basic Books.

 

 ファーストオーサーの氏名の記載にあたってファミリーネームを先にするのは,前述のとおり,文献リストを著者の姓のアルファベット順に並べるためである.したがって,共著者の氏名については通常の語順のままとする.なお,著者名をつなぐand&としてもよいが,一貫性を保たなければならない.

 共著者が3人以上の場合は,著者名はカンマでつなぎ,最後の著者名だけand(ドイツ語の文献の場合はund,フランス語の文献の場合はet)でつなぐ.

 以上で著者名の記載法は説明ずみとなった.編書の場合の氏名の記載法も同じであるので,以下では,たんに,著者名,編者名などと簡略に表現する.

 

(3) 編書

 

編者名 ed., 出版年, タイトル, 出版都市名: 出版社名.

Douglas, Jack ed., 1970, Understanding Everyday Life, Chicago: Aldine.

 

 編者名の後にed.を入れる.ただし,編者が団体であるときはed.の記載を省略してもよい(ひとつの論文のなかでは省略するかしないか一貫させること).

 編者が複数の場合は,つぎのように編者名の後にeds.を入れる.

 

編者名 and 共編者名 eds., 出版年, タイトル, 出版都市名: 出版社名.

Rubington, Earl and Martin Weinberg eds., 1965, Deviance: The International Perspective, New York: Macmillan.

 

(4) 編書論文

 

著者名, 出版年, "論文のタイトル," 編者名 ed., 本のタイトル, 出版都市名: 出版社名, 論文の初ページ-終ページ.

Mayer, Margit and Poland Roth, 1995, "New Social Movements and the Transformation to Post-Fordist Society," Marcy Darnovsky, Barbara Epstein and Richard Flacks eds., Cultural Politics and Social Movements, Philadelphia: Temple University Press, 299-319.

 

 編書のなかに収録された論文のタイトルには "  " をつける(イタリック体にはしない).本のタイトルの記載の場合とおなじ要領で,必要に応じて単語の最初の文字を大文字にする.論文のタイトル中に "  " が使われているときは,'  ' に変える.編者名は,ファミリーネームを先にせず,通常の語順のままとする.末尾に論文のページ数を記載する.

 

(5) 雑誌論文

 

著者名, 出版年, "論文のタイトル," 雑誌名, (): 論文の初ページ-終ページ.

Abbott, Andrew, 1995, "Things of Boundaries," Social Research, 62(4): 857-82.

 

 雑誌論文のタイトルの記載も,編書論文の場合と同様にする.雑誌名はイタリック体にする.巻号は,Vol. 62, No. 4であれば,上の例のように,巻数の後に続けて半角の丸カッコ内に号数を記載する.巻()の後に半角コロンと半角スペースでつないで,論文のページ数を記載する.巻号(Vol. No.)によって刊行されている雑誌のページ数の記載にあたっては,当該雑誌の号によるページ数ではなく,その巻を通してのページ数を記載する.同じ巻でのページ数の重複による混乱を避けるためである.

 

(6) 初版の出版年を明示したいとき

 

著者名, [初版の出版年] 手元の版の出版年, タイトル, 版数, 出版都市名: 出版社名.

Simpson, George Eaton and J. Milton Yinger, [1953] 1972, Racial and Cultural Minorities: An Analysis of Prejudice and Discrimination, 4th ed., New York: Harper & Row.

 

 手元にある版の出版年の前に半角の角カッコ[  ]を用いて初版の出版年を記入し,タイトルの後に版数を記載する.

 K. マルクスなどの著作で,草稿のまま生前には出版されなかった文献をあげる場合に,執筆年度を明示したいときにも,これに準じた記載をしてよい.

 

(7) 初出誌の掲載誌と再録編著書をともに明示したいとき

 

初出誌にかんする書誌情報. Reprinted in: 再録編著書にかんする書誌情報.

 

 より具体的に示せば,一般的にはつぎのとおり.

 

著者名, 初出誌の出版年, "論文のタイトル," 初出雑誌名, (): 論文の初ページ-終ページ. Reprinted in: 編者名 ed., 再録編著書の出版年, 編著書のタイトル, 出版都市名: 出版社名, 論文の初ページ-終ページ.

McCarthy, John D. and Mayer N. Zald, 1977, "Resource Mobilization and Social Movements: A Partial Theory," American Journal of Sociology, 82(6): 1212-41. Reprinted in: Mayer N. Zald and John D. McCarthy, 1987, Social Movements in an Organizational Society: Collected Essays, New Brunswick: Transaction Publishers, 15-42.

 

 初出誌にかんする書誌情報の記載の後に,Reprinted in: に続けて,再録編著書にかんする書誌情報を記載する.なお,初出誌の書誌情報と再録編著書の書誌情報で重複する部分(通常は著者名および “論文のタイトル”)は,記載を省略してよい.ただし,再録にあたり "論文のタイトル" が変更されたような場合は,その記載を省略しない.上記の例では,共著者名の順番が入れ替わっているので,著者名を省略しなかった.

 なお,文献注を記載するさいには,前述したとおり,(McCarthy and Zald [1977] 1987)と記載すればよい.

 

 4.3 その他の外国語文献

 英語,フランス語,ドイツ語以外にも,さまざまな言語――中国語,朝鮮語・韓国語,ロシア語,アラビア語等々――による文献がある.それらについては,「欧文の文献」および「邦文の文献」を参考にして,投稿者の責任で文献の記載をしてほしい.

 

 4.4 邦文の文献

 邦文の文献の記載にあたっては,出版年と巻号およびページの数字と一部のカッコ記号を入力する以外は,カンマ,ピリオドも全角文字で入力すること.

 著者名などの氏名の記載法については,姓と名前のあいだにスペースを入れる方式もあるが,編集委員会としては,姓と名前のあいだにスペースを入れない方式を採用することにした.中国人,韓国人,朝鮮人などの漢字表記による氏名も同様にする.

 以下,さまざまなケースについて,記載法と例を示す.

 

(1) 単著の本

 

著者名,出版年,『タイトル――サブタイトル』出版社名.

稲上毅,1981,『労使関係の社会学』東京大学出版会.

真木悠介,1977a,『現代社会の存立構造』筑摩書房.

――――,1977b,『気流の鳴る音』筑摩書房.

小熊英二,1995,『単一民族神話の起源――〈日本人〉の自画像の系譜』新曜社.

 

 書名には二重かぎカッコ『  』をつける.なお,本の判が新書や文庫であっても,たとえば,中公新書や岩波文庫とは書かずに,中央公論社,岩波書店などと,出版社名を記載する.

 書名にサブタイトルがあるときは,タイトルとサブタイトルのあいだは,――(2倍ダッシュ)でつなぐ.論文にタイトルをつけるときは,サブタイトルの前後に――(2倍ダッシュ)をつけるが,文献リストを記載するさいには後ろのダッシュは省略する(論文名にサブタイトルがある場合も同様とする).なお,文献の奥付けでのサブタイトルの記載において,スペースや:(コロン)などの記号が用いられている場合でも,――(2倍ダッシュ)でもってサブタイトルの表示をする.

 また,講座名など,かならずしもサブタイトルとは言えない語句と書名とが併記されている場合は,たとえば,『講座社会学 12 環境』というかたちで,基本的には奥付けに記載されたままを記入し,各語句のあいだに半角のスペースを入れる.「新版」「第2版」などの書誌情報も同様にあつかう.

 

(2) 共著の本

 

ファーストオーサーの氏名・共著者名,出版年,『タイトル』出版社名.

宮島喬・梶田孝道・伊藤るり,1985,『先進社会のジレンマ』有斐閣.

杉本良夫/ロス・マオア,1995,『日本人論の方程式』筑摩書房.

 

 共著者の氏名はナカグロでつなぐ.ただし,カタカタ書きの外国人名を含む場合には,ナカグロに代えて,全角のスラッシュを用いる.

 

(3) 編書

 

編者名編,出版年,『タイトル』出版社名.

高坂健次・厚東洋輔編,1998,『講座社会学 1 理論と方法』東京大学出版会.

 

 編者名の後に「編」の字を入れる.ただし,編者が団体であるときは「編」の記載を省略する.

 

(4) 編書論文など

 

著者名,出版年,「論文のタイトル」編者名編『本のタイトル』出版社名,論文の初ページ-終ページ.

舩橋晴俊,1998,「環境問題の未来と社会変動――社会の自己破壊性と自己組織性」舩橋晴俊・飯島伸子編『講座社会学 12 環境』東京大学出版会,191-224

 

 論文のタイトルにはかぎカッコ「  」をつける.論文のタイトル中に「  」が使われている場合には,そのカッコは『  』に変える.末尾にページ数を記載する.

 

 また,共著の本に収録された論文についても,同様に記載する.

 

著者名,出版年,「論文のタイトル」共著者名『本のタイトル』出版社名,論文の初ページ-終ページ.

高橋徹,1965,「日本における社会心理学の形成」高橋徹・富永健一・佐藤毅『社会心理学の形成』培風館,317-505

 

(5) 雑誌論文

 

著者名,出版年,「論文のタイトル」『雑誌名』巻(): 論文の初ページ-終ページ.

佐藤嘉倫,1998,「合理的選択理論批判の論理構造とその問題点」『社会学評論』49(2): 188-205

 

 巻号は,第49巻第2号であれば,上の例のように,巻数の後に続けて半角の丸カッコ内に号数を記載する.巻()の後に半角コロンと半角スペースでつないで,論文のページ数を記載する.なお,巻号の代わりに,第○号,第○集,第○輯などを用いている場合にも,その号数のみを記載すればよい.巻号によって刊行されている雑誌のページ数の記載にあたっては,当該雑誌の号によるページ数ではなく,その巻を通してのページ数を記載する.同じ巻でのページ数の重複による混乱を避けるためである.

 また,原則として雑誌論文の場合は出版社名(発行元)を記載する必要はないが,雑誌名だけでは発行元がわかりにくいときは,つぎのように『雑誌名』の後に発行元を記載する.

 

著者名,出版年,「論文のタイトル」『雑誌名』発行元,巻(): 論文の初ページ-終ページ.

桜井厚,1993,「ライフヒストリー調査雑感」『三色旗』慶應通信,549: 11-4

 

(6) 翻訳書・翻訳論文

 外国語の文献の和訳を文献リストに載せる場合には,まず,原典の書誌情報を記載し,ついで全角の丸カッコ内に(=  .)のかたちで和訳の書誌情報を記載する.そのさい,原典の欧文の文献の末尾には半角のピリオドを,和訳の書誌情報の末尾には全角のピリオドをうつことを忘れないこと.まず,本の場合,つづいて,論文の場合の記載法を例示しておく.

 

原典の書誌情報.(=翻訳の出版年,訳者名訳『訳書のタイトル』出版社名.)

Fromm, Erich, 1941, Escape from Freedom, New York: Reinehart and Winston.(=1951,日高六郎訳『自由からの逃走』東京創元社.)

 

 なお,共訳の場合は,訳者名のあいだはナカグロでつなぐ.

 

原典の書誌情報.(=翻訳の出版年,訳者名訳「翻訳論文のタイトル」所収書の編者名編『所収書のタイトル』出版社名,翻訳論文の初ページ-終ページ.)

McCarthy, John M. and Mayer N. Zald, 1977, "Resource Mobilization and Social Movements: A Partial Theory," American Journal of Sociology, 82(6): 1212-41.(=1989,片桐新自訳「社会運動の合理的理論」塩原勉編『資源動員と組織戦略――運動論の新パラダイム』新曜社,21-58.)

 

(7) 初出誌の掲載誌と再録編著書をともに明示したいとき

 

初出誌にかんする書誌情報.(再録:再録編著書にかんする書誌情報.)

 

 より具体的に示せば,一般的にはつぎのとおり.

 

著者名,初出誌の出版年,「論文のタイトル」『初出雑誌名』巻(): 論文の初ページ-終ページ.(再録:編者名編,再録編著書の出版年,『編著書のタイトル』出版社名,論文の初ページ-終ページ.)

吉田民人,1974,「社会システム論における情報-資源処理パラダイムの構想」『現代社会学』1(1): 7-27.(再録:1990,『情報と自己組織性の理論』東京大学出版会,153-72.)

 

 初出誌にかんする書誌情報の記載につづいて,全角の丸カッコ内に(再録:  .)のかたちで再録編著書にかんする書誌情報を記載する.なお,初出誌にかんする書誌情報と再録編著書にかんする書誌情報で重複する部分(通常は著者名および「論文のタイトル」)は,記載を省略してよい.ただし,再録にあたり「論文のタイトル」が変更されたような場合は,その記載を省略しない.

 なお,文献注を記載するさいには,前述したとおり,(吉田 [1974] 1990)と記載すればよい.

 

 これまでに説明してきたところを,適当に組み合わせれば,ほとんどのケースの文献の記載が可能なはずである.なお,出版年が不明な場合は,出版年の代わりにn.d.と記載する(n.d.no dateの略語である).近刊の文献の場合は,出版年の代わりに,邦文の文献であれば「近刊」,英文の文献であればforthcomingと記載する.稀なケースについては,適宜,他の文献記載法を参照されたい.

 

(8) 調査報告書

 

研究代表者名,刊行年,『研究課題名』○○年度科学研究費補助金研究成果報告書,研究機関名.

神原文子,1999,『同和地区における子育ての現状と課題に関する実証研究』1996-1998年度科学研究費補助金研究成果報告書,相愛大学.

 

 研究代表者のほかに研究分担者がいる場合には,研究代表者名の後に「編」をつける.研究実施の年度の表記は,上記の例のように元号でなく西暦に変えてもよい.

 科学研究費によるもの以外の調査報告書の記載についても,これに準ずる.

 

(9) 政府刊行物など

 

編集機関名,出版年,『タイトル』発行元.

経済企画庁,1994,『国民生活白書(平成6年版)』.

静岡県,1972,『第8次静岡県総合開発計画』.

 

 政府刊行物については,発行元が「大蔵省印刷局」であるときは,上記の例のように発行元の記載を省略してよい.

 地方自治体などによる刊行物の場合で,編集元と発行元が同一のときにも,発行元の記載を省略してよい.

 

(10) 修士論文や学会報告原稿など

 修士論文や博士論文を文献として利用する場合は,たとえばつぎのような記載の仕方をする.

 

著者名,論文提出年,「論文のタイトル」○○大学大学院○○学研究科○○年度修士論文.

 

 学会の大会における報告を文献として利用する場合は,たとえばつぎのような記載の仕方をする.

 

報告者名,大会開催年,「報告のタイトル」第○回日本社会学会大会報告原稿.

 

 4.5 電子メディア情報

 インターネット上のホームページの情報を文献として利用したときは,欧文の場合と邦文の場合それぞれについて,つぎのとおりとする.

 

著者名, 公表年または最新の更新年, “当該情報のタイトル” (URL, アクセス年月日).

Kim, Myung-Soo, 1999, "Research on Consciousness among Korean Youth in Japan, 1993" (http://www.han.org/a/researche.html, March 16, 1999).

 

著者名,公表年または最新の更新年,「当該情報のタイトル」(URL, アクセス年月日).

宮野勝,1997,「社会調査の参考資料ガイド(入門編)」(http://syajyo.tamacc.chuo-u.ac.jp/~miyaken/cyosa.html, 1998.12.10).

 

 通常の文献の記載において「著者名」にあたる項目には,当該情報の著者名を記載する.当該情報の著者とそのホームページの製作主体が異なる場合もありうるが,その場合も著者のほうを記載する.

 「出版年」にあたる項目には,当該情報の公表年または最新の更新年を記載する.いずれも不明の場合には,アクセスした年を記載すればよい.ちなみに,上述の例では,Kimのケースはアクセス年を,宮野のケースは最新の更新年を記載した.

 「論文のタイトル」にあたる項目には,そのホームページ全体の名称ではなく,当該情報のタイトルを記載する.

 そして,末尾に,丸カッコにくくって,当該情報に直接アクセスできるURLとアクセス年月日を記載する.一般にホームページは頻繁に更新されることがめずらしくないので,アクセスの年月日を記載する必要がある.

 

 CD-ROMFD,視聴覚資料などを文献として利用した場合の記載は,書籍に準じるが,末尾にCD-ROMFD,ビデオテープ,録音テープなどであることを明記する.例示すれば,つぎのとおりである.

 

日本公共政策学会,1998,『公共政策──日本公共政策学会年報』1CD-ROM).

 

*****************************************************

「スタイルガイド」の表紙ページに戻る

1 記述上の約束事

2 注

3 引用

4 文献

5 形式上の注意事項

6 一般的留意事項

7 その他

付記

補遺:参考文献

チェック・リスト

付録:修士論文執筆などの参考として