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第三章 秩父地域活性化のための産業遺産の活用に関する考察
-秩父織物とセメント産業- |

永井哲也

1.はじめに
秩父地域は秩父銘仙を主力とした織物産業と、武甲山から採掘される石灰を加工するセメント産業を主要な産業として発展してきた。この二つの産業は地域経済の中心として人々の生活を支え、地域の発展に貢献してきた。しかし秩父を支えてきた二つの産業は時代の流れとともに衰退し、それに合わせて秩父地域も衰退している。
私はこの授業において秩父地域の発展を考えていくにあたり、昔のように地域経済を支えることが困難となった織物産業とセメント産業が、地域の再活性化に活用できるのではないかと考えた。なぜなら今日、日本の近代化に貢献した産業遺産の保存・再利用が注目を浴びており、これらの産業遺構も活用できると考えたからである
。(※1)
ここでは、まずどのような経緯でこの二つの産業が発展し、衰退していったか、歴史を概観し、最後に秩父の地域振興に産業遺産としてどのように活用できるか考察していきたい。
有名な産業遺産の例として、横浜市のみなとみらい地区のドッグヤード・ガーデン(旧三菱重工業横浜造船所の第2号ドッグ:1896年竣工)や栃木県の足尾銅山跡などがある。 |
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(※1)有名な産業遺産の例として、横浜市のみなとみらい地区のドッグヤード・ガーデン(旧三菱重工業横浜造船所の第2号ドッグ:1896年竣工)や栃木県の足尾銅山跡などがある。 |
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