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調査報告
第五章
地域振興における秩父ミューズパーク
〜現状と課題に関する研究・調査報告〜


左海絢子
  1.はじめに
  2.秩父ミューズパークの概要
3.調査調査
  4.調査結果の考察
  5.まとめ




3.調査結果

3−1.ミューズパーク管理事務局へのヒアリング

ヒアリングのねらい

 ミューズパークが現在どのような利用状況にあるのか、行政と民間の運営組織間での連携がどのように図られ活用されているのか、ミューズパークの今後の展望、等を伺い、ミューズパークの現状把握に努める。

ヒアリング結果

管理事務局について
県から管理運営を委託されている(財)埼玉県公園緑地協会の現場事務所。
サービス・植栽・施設の運営等、公園内の維持管理を行う。
職員は県から3名、財団から4名(非常勤)
以前の管理主である秩父公園建設事務所から協会に管理が移って3年目である。
管理運営主体
 スポーツの森は民間(西武グループ)による運営、スカイトレインとサイクリングセンターは小鹿野町による町営、その他は県営公園として管理・運営されている。
官民の連携
 イベントは各自で企画・運営を行っている。スポーツの森では駐車場を利用したフリーマーケットや陶器市など行い、利用料を徴収している。
 広報・宣伝なども別々に行っている。
各種イベントの企画・運営主体について
例)陶器市/駐車場にて・・・スポーツの森自らが誘致、場所代を徴収している
   フリマ・・・   〃
ロードレース大会・・・秩父市
秩父ふるさとまつり・・・秩父広域市町村組合  
(財)公園緑地協会による自主事業
公園インストラクター  初夏の山野草、薬用植物に親しむ会
             ホタル鑑賞の夕べ
             子ども昆虫探検隊
             夏の星座観察会 等
地元の学生     秩父ミューズパーク吹奏楽フェスティバル
             秩父郡市コーラスフェスティバル
ミューズパーク内の雇用
清掃・警備 4名(ほぼパート)
音楽堂 約20名(年に何度かのみの人も含む)
造園 約30名(半数がパート)
水道 約12名
電機 5名
パトロール 4名
運営 3名
その他 10名
経営状況 予算は年々減少、
赤字は例年横ばい
<収入> 野外ステージ 130万
       音楽堂 1040万
       テニス 100万
       販売 450万
<支出> 約2億2千500万 


(5000人収容の野外ステージ)

(サイクリングロード)



3−2.来園者への聞き取りアンケート調査

実施日 11月26日(土)
実施時間 午前10時〜16時
実施場所 ミューズパーク内の園道
聞き取り人数 30組55人

アンケートの目的と方法

目的:ミューズパークの現在の利用状況の把握を行い、利用者のミューズパークへの意識・関心からミューズパークの魅力や問題点を探る。

方法:アンケートの質問項目に基づいて直接質問をし、回答を聞き取る。
    実施場所は南口から北口までを移動しながら各場所で行った。

質問項目: 居住地             
年齢              
性別              
一緒に来た人との間柄      
来園頻度(時期)        
交通手段
来園目的
滞在時間
ミューズパークの良いと思うところ・魅力
ミューズパークへの不満・要望
秩父地域の人
・イベントの認知度・参加度
・音楽施設の利用状況

地域外の人
・ミューズパークと秩父の観光との関係

結果
○属性・利用状況について
→表1

○ミューズパークの良いと思うところ・魅力  ※( )は重複意見の人数
・車がない、安全な道(7)  ・自然(5)  ・四季おりおり、一年中良い(4)  
・駐車場が無料(3)  ・散歩コースに最適(3) ・景色が良い(3)    
・広い(3) ・排気ガスがない(2)      
・長い距離をサイクリングで楽しめる(2)  ・イベントがたまたまあると楽しめる  
・子供たちが遊べる ・手軽、近い ・毎日景色が違う ・きれい  
・トイレが多い ・並木道 ・平で歩くのに楽 ・静か  
・スケートが滑りやすい ・何もない ・のどか ・蛍  

ミューズパークができて秩父の人はみんな喜んでいる      
全般的に良い 今度孫を連れてきたい(初来園の人)    などの意見も

○ミューズパークの悪いと思うところ・不満や要望
・このまま自然が多いまま残して欲しい(2) 
・もっとイベントを人を集めてにぎやかにやって欲しい(2)
・都会的なイメージで秩父の特徴が生かされていない、らしさを出した方がいい 
・夜は寂しい ・車上荒らしの被害にあった、駐車場が物騒 ・交通の便が悪い
・子供を連れて遊べるところが欲しい、広いのにもったいない

<道に関して> 
・広すぎて夏は暑い(2)   ・照り返しがきつい(2)  ・自然を残した道に(2)
・少しは坂があったほうが良い ・木が少ない      ・舗装× 土にして欲しい
・広い道路を有効に使っていない、道は半分でも良い  ・夏は木陰がない、木陰が欲しい
・もっと山の中を歩きたい(山道が切れているのでつなげて欲しい)
・枯葉が滑りやすく危険(スケート)

(夏のスカイロード)

(冬のスカイロード)

羊山公園の芝桜とのつながりがない、シャトルバスを出したり、宣伝をして広いミューズパークでお昼を食べてもらうなど工夫を、ミューズパークを秩父の見所の一つに
といった意見も

地域住民対象<イベントの認知度 参加度>    
・イベントは散歩のついでに寄る程度(6) ・フリマなどのイベントをよく利用している(3)  
・はんじょう博(ふるさと秩父まつり)は行く(2)   ・宣伝がなくわからない 
・イベントはワンパターン、何度も来ると飽きる
・イベントの情報はたまたま道路を通ったときに看板で知る
・イベント情報は家に届く 

<音楽施設の利用>
・コンサートに何度か来ている(5)   ・昔は盛んだったが今はあまり催されていない(3) 
・音楽施設の利用率が低くもったいない(3) ・昔は行ったが今はあまり行かない
・野外ステージのイベントがほとんどない  ・興味を持てるものがない ・若い人向き
・コンサート情報が伝わりにくい      ・自分の興味のあるものがあれば来たい 
・券をもらえれば行く           ・知っている人が来ると聴きに行く
・有名な人ならお金を出してもいい(南こうせつの時は行った)     ・野外は聴く
・たまたまあると聴く           ・毎週日曜や、もっと頻繁にあればいい
地元の中学校が参加する吹奏楽のコンサートに行き、初めて聴いてすごく良かった      
親戚の子供の発表会に行った  などの意見もあり、
地元の子供たちと一緒に何かやればよいのでは、という人も

地域外住民・観光客対象<他秩父地域との関連>
・ミューズパークに来るのが目的で秩父に来た(3)
・紅葉を見に来て寄っただけ、他の観光はしない(2)   ・長瀞に寄る 
・秩父の温泉に行く途中に寄った ・帰りに温泉に寄る(クアパレス小鹿野)
・フリーマーケット目的     ・秩父で他の公園があれば寄る予定
・秩父の観光中、道の駅のパンフレットでミューズパークのことを知って来た
・小鹿野町、旧荒川村、札所、旧両神村などに寄り、写真を撮る


(スポーツの森センターハウス内)

(スポーツの森テニスコート)



3−3.埼玉県 公園課へのヒアリング


ヒアリングのねらい

 埼玉県では県営の公園であるミューズパークの現状についてどのように考え、今後の方針についてどういった検討がなされているのか等について伺った。

ヒアリング結果

ミューズパークをめぐる動き
「西武グループのミューズパーク撤退検討」報道→利用拡大への努力
秩父地域に密接に関わる西武グループの撤退問題はミューズパークにおいて、県営公園施設としての機能低下や観光資源の荒廃につながると危惧される。

利用拡大会議 H17年〜

西武鉄道グループのミューズパーク撤退検討に伴い、秩父市・埼玉県・西武鉄道グループ・小鹿野町などが参加してミューズパークの利用の活性化策の立案を行う組織。  
(関連事業「旅立ちの日に」モニュメント H18.2完成)

ミューズパーク活性化対策協議会


(H14年5月発足〜 H15、16は施策の運用 現在新たな対策の必要性)
民間施設の経営悪化→公園全体の利用拡大が民間施設の利用拡大になるのでは
・・・しかし、公園利用者=民間施設利用者ではないという問題点。
今後、情報収集を行い、必要な対策について協議していくことを目的としている。
問題点
・PRの不足・効果的な宣伝の必要
・施設の分散による使い辛さ
今後の管理運営
平成18年度4月〜指定管理者制への移行
今後2年間は現在管理運営を行っている(財)公園緑地協会がそのまま引継ぎ、2年を経過した時点で、改めて指定管理者の公募を行う予定。
県としては他の指定管理者同様、協会に対して指導していくことになる。


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