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![]() 左海絢子
![]() 4.調査結果の考察 4−1.アンケート調査の結果
秩父地域外からの来園者は埼玉県内や群馬県など関東県域から訪れていた。時期的なこともあり、多くが紅葉を目当てに来園している。また年に何回か訪れるという人の場合も、春や秋に集中して訪れているようであった。
ミューズパークの魅力としては車のない広い歩道が多くあげられているが、一方で夏場はそれが悪い意見として反映されている。スカイトレインの運行路であること、数人乗りの大型自転車でサイクリングを楽しむ人がいることを考えると、現在の道の広さは妥当であると考えられるが、利用者の多くを占めるウォーキング・ジョ (スカイトレイン) ギングを行う人々が気持ちよく歩くことができるような木陰作りの必要性も感じられる。 自然に囲まれ、デザイン性のあるミューズパークの公園空間は多くの人々に好感を与えている一方、都会的で秩父らしさに欠ける、といった地域住民の率直な意見を聞くこともできた。ミューズパークの広大な敷地を活かして、にぎやかなイベントを行ったり、観光客の誘致を行うべき、といった意見もあり、地域住民の日常的利用だけではなく、もっと公園内の施設や、敷地を活かしたいというニーズもうかがうことができた。 ミューズパーク内で行われるイベントに関しては、宣伝の不足ということもあり、あまり認知・関心が高くないように感じられた。ウォーキング等で毎日のように訪れている人々の場合、歩いている途中に見かければ寄る、という人がほとんどであった。 音楽堂はCDの録音に利用されていることが多いため、地域の人々にとっては催しが少ない、と感じられる要因になっており、野外ステージの利用に関しては、めったに行われていない、という意見が多かった。現在も時々利用している人、興味があれば行ってみたいという人、音楽には興味がないという人など、人それぞれであったが、地域住民に加えて広域圏の人々が共同で活用することで積極的な利用の促進が図られることを期待する。 4−2.「県営公園利用実態調査 報告書」との比較(調査日:H12.10/回答数183) ■管理状況評価(樹林・植え込み・広場・園路・花壇・トイレ・水飲み) ミューズパークは全体管理の平均値が、28公園中「彩の森入間公園」に並び1位 特にトイレに対する評価がずば抜けて高い評価を受けている。 ■来園のための主な交通機関 ミューズパークは自家用車の割合が28公園中最も高く、93%である。 バスの利用者はわずか2%。 →駅から遠く、公共交通機関での来園の不便さから、来園者のほとんどが自家用車を利用している状況は今も変わっていない。秩父駅、西武秩父駅とミューズパークを結ぶ循環バスの本数は1時間に約1本という状況である。 ■来園のための所要時間 所要時間「1時間以上」の割合が、39%である。 一方5分〜15分という人も28%を占める。 →ミューズパークは都市公園のなかで「広域公園」に指定されている。 首都圏民の余暇ニーズに応えることを目的につくられた公園であり、利用者の居住域の広さがミューズパークの一つの特徴であるといえる。 ■公園の利用の仕方 「散歩」と答えた人が51%ともっとも多い。 →日常的に利用している人もそうでない人も、公園内でウォーキングや散策をする現在の状況は変わっていない。 ■増やして欲しい施設や要望 30%を超える強い要望はいずれの項目にも見られなかったが、高い順としては、 1.木かげ 18% 2.小さな子供の遊び場 17% 3.レストラン16%となっている。 →木かげが少なくて夏場は暑いという意見は今現在も聞かれており、当初から改善されていないことがわかる。 ■滞在予定時間について 1時間〜3時間が50%を占め、3時間以上はわずか5パーセントである。 →今回のアンケート調査でも1時間〜3時間と答えた人が多く、滞在時間は同様に短い。 ■公園で行って欲しい催し物 「コンサートや演劇」が31%で最も高い。 →充分な音楽施設があるにも関わらず、こういった要望があげられている背景には、当時の音楽施設の活用度の低さがうかがえ、現在も同様の状況であるといえる。 |
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